福祉・ボランティア特集
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見守る力が、まちの安心につながる
~認知症とともに暮らす地域へ~
高齢化が進む今、 認知症は身近なテーマとして多くの地域に広がっています。
誰にでも起こりうるこの変化に、私たち一人ひとりがどう寄り添い、どう見守っていけるか――その答えを地域の中に探る時代が来ています。
この特集では、認知症の基本的な理解から、見守りの工夫、 川越市、坂戸市、鶴ヶ島市、ふじみ野市、富士見市、川島町の地域での取り組み事例、そして誰にでもできる「ちいさな気づき」や「やさしい行動」のヒントまでを丁寧に紹介していきます。
家族だけではなく、ご近所の方、商店街の方、こどもたちや若者たちも含めて、誰もが参加できる見守りの輪。
このまちで安心して暮らし続けられる未来のために、今、私たちができることから始めてみませんか?

認知症とは、脳の病気などが原因で記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態のことを指します。 加齢による「もの忘れ」とは異なり、体験そのものを忘れてしまうのが特徴です。たとえば「朝ごはんを食べたこと自体を忘れる」などが典型的な例です。
認知症は病名ではなく、さまざまな病気によって引き起こされる“症候群”であり、代表的な種類には以下があります。
| 種類 | 特徴 | 主な症状 |
|---|---|---|
| アルツハイマー型認知症 | 最も多いタイプ(約60%) | 近い記憶から失われ、徐々に進行 |
| 血管性認知症 | 脳梗塞・脳出血などが原因 | 障害部位により症状が異なる |
| レビー小体型認知症 | 幻視や筋肉のこわばりなどが特徴 | 認知機能の変動やパーキンソン症状 |
| 前頭側頭型認知症 | 社会的ルールが守れなくなるなど | 感情の抑制が効かなくなる |

日本では高齢化の進展に伴い、認知症の人の数も増加しています。
令和4年(2022年)の推計では、65歳以上の高齢者の約12%が認知症とされ、軽度認知障害(MCI)を含めると約3人に1人が認知機能に関わる症状を持つとされています。
さらに、2025年には認知症の人が700万人を超えると見込まれており、これは高齢者の5人に1人に相当します。

認知症は高齢者だけの問題ではありません。
65歳未満で発症する「若年性認知症」も存在し、平均発症年齢は54歳。
就労や育児など、生活への影響が大きく、支援体制の整備が求められています。
認知症の初期症状には、以下のような変化がみられる場合があります。
■同じことを何度も繰り返す
■約束の日時や場所を間違える
■怒りっぽくなる、意欲がなくなる
■慣れた道で迷うことがある
これらの変化に気づいたら、一人で悩まず、地域包括支援センターや医療機関に相談することが大切です。
また、ご本人だけでなく、ご家族や周囲の方で簡易的にチェックできるリスト(以下)をご用意しました。認知症の気づきや初期症状の確認用として、活用してみてください。

~まいぷれ川越周辺で広がる、認知症高齢者の見守りの輪~
認知症のある方が安心して暮らし続けられるために、どんな地域の力が必要でしょうか。
今、埼玉県のまいぷれ川越周辺(川越市、川島町、坂戸市、鶴ヶ島市、ふじみ野市、富士見市)では、住民・施設・行政・企業がそれぞれの立場からできることを考え、動き、つながる取り組みが始まっています。
皆さまの地域の活動、取組み事例をぜひご覧ください。また「まいぷれ川越周辺」エリアでない地域の方も参照して、取り組めそうなものがあれば活動の気かっけにしてもらえたらと思います。
見守りは「気づくこと」から始まる
認知症のある方や高齢者が安心して暮らせる地域づくりには、日常の中でのちょっとした気づきや声かけがとても大切です。
見守り活動は、専門職だけが行うものではなく、地域に暮らす一人ひとりが担える役割でもあります。
| 行動例 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| あいさつをする | 毎日「おはよう」「こんにちは」 | 表情や反応から体調の変化に気づける |
| 立ち話をする | ちょっとした世間話や近況の共有 | 孤立感の軽減、信頼関係の構築 |
| 郵便受けや洗濯物に目を配る | たまっている・干しっぱなしなどの 異変 | 安否確認のきっかけになる |
| 買い物や外出時に声をかける | 道に迷っている様子などに気づく | 「どこかお困りですか?」の一言が安心に |
| 地域のイベントに誘う | サロン・体操教室・カフェなど | 参加の有無で生活状況が見えることも |

皆さまはどの活動なら取り組めそうですか。どのスタイルも「監視」ではなく「気づきとつながり」が目的です。
■ゆるやかな見守り:日常の中で自然に気にかける
■担当制見守り:自治会や民生委員が定期的に訪問
■事業者による見守り:新聞・宅配・配食などの業務中の気づき
■ふれあい型見守り:サロンや会食会などの交流の場での見守り
見守り活動は、特別なことではなく、日常の延長にあるやさしい行動です。皆さまの行動の1つ1つが集まり、大きな力として地域に広がっていきます。
■孤立や孤独死の予防
■認知症の早期発見・支援につながる
■防犯・防災にも効果あり
■地域の絆が深まり、災害時の助け合いにも強くなる
認知症とともに、安心して暮らせる地域へ
認知症は、誰にでも起こりうる“身近な変化”です。
この特集では、認知症の基礎知識から、地域での見守り活動事例や皆さんの日常の延長でも出来る行動など、誰もができる「見守りの一歩」までを丁寧にご紹介してきました。
見守りとは、監視ではなく「気づきとつながり」。
あいさつや立ち話、日常のちょっとした気配りが、認知症のある方の安心となり、それは地域全体の安心にもつながるのです。
最後に
この特集が、地域の皆さんの「気づき」と「行動」のきっかけになれば幸いです。
今後も地域で活動されている個人や団体の皆さんを紹介するページを更新していきます。皆さまからも「こんな活動をしています」「認知症サポーター募集中」などありましたら情報をお寄せいただき、見守りの輪をさらに広げて行けたらと思います。
【本記事の参考サイト】

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。